Osone Yukinori-青と黒-

続・いつになったら俺の人生は終わってくれるんだろうか?

2020/大御所に人生相談

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俺「…たぬ蔵じいちゃん」

たぬ蔵『…ん?どうかしたか?夏のセミの鳴き声が恋しくて仕方無いみたいな顔しおって』

俺「…ミーン、ミンミンミンミンミーン」

たぬ蔵『いや、ワシも好きじゃがな』

俺「はい」

たぬ蔵『で、何じゃ?何か用か?』

俺「…はい、また迷子になってる気がするんですが」

たぬ蔵『お前は相変わらずアホじゃのぉ』

俺「…え?」

たぬ蔵『お前は生まれた時から今まで、ずっと迷子じゃろうが』

俺「やっぱりそうなんですかね?」

たぬ蔵『うん』

俺「そうなんだ、やっぱり」

たぬ蔵『いつまでたっても不安じゃろう?』

俺「不安です」

たぬ蔵『いつまでたっても苛立ちが消えんじゃろう』

俺「苛立ち消えません」

たぬ蔵『どこまで行っても満足せんじゃろう?』

俺「満足しません」

たぬ蔵『渇く一方じゃろう』

俺「渇く一方です」

たぬ蔵『寂しいじゃろう』

俺「寂しいです」

たぬ蔵『たまに色々と虚しくなり過ぎてアホみたいに笑っちまうじゃろう』

俺「笑っちゃいます」

たぬ蔵『我慢し過ぎて誰かを殺したくなるじゃろう』

俺「殺したくなります」

たぬ蔵『本気を出せと言われてもピンと来んじゃろう』

俺「ピンと来ません」

たぬ蔵『何か色々とどうでもよくなることが最近多いじゃろう』

俺「最近、多いです」  

たぬ蔵『生きてるの面倒になるじゃろう』

俺「なります」

たぬ蔵『どうしてそうなるか聞きたいか?』

俺「はい、是非」

たぬ蔵『それはお前が人間だからじゃ』

俺「人間」

たぬ蔵『うん』

俺「…」

たぬ蔵『ワシら動物は自ら命は絶たん』

俺「はい」

たぬ蔵『まぁ、光に誘われてクルマに轢かれて死ぬことは多いがな』

俺「やっぱりそうなんですか?たぬ吉によく教えといてあげなくちゃ」

たぬ蔵『うん』

俺「はい」

たぬ蔵『うん、でな、何じゃったっけ?』

俺「何でしたっけ?」

たぬ蔵『まぁ、何でもいいか』

俺「はい、何でもいいです」

たぬ蔵『本当に何でもいいのか?』

俺「…いや、よくないです(しょんぼり)」

たぬ蔵『フッフッフッ、そうよのぉ、そんじゃ1つだけ、とっておきの稀な秘策を伝授してやろう』

俺「おぉ!はい、是非」

たぬ蔵『知りたいか?』

俺「是非、是非!」

たぬ蔵『そんなに知りたいのか?』

俺「はい、是非、是非、是非!」

たぬ蔵『フッフッフッ、仕方無いのぉ、じゃ、ちょっとだけじゃぞ?耳貸せ』

俺「はい」

……………………………

たぬ蔵『分かったか?』

俺「…」

たぬ蔵『なぜ黙る?』

俺「…」

たぬ蔵『無理っぽいか?』

俺「…」

たぬ蔵『フッフッフッ、まぁ、しばらく考えてから結論を出せばいいわい』

俺「…」

たぬ蔵『まぁ、今のお前じゃかなり難しいだろうがの』

俺「…」

たぬ蔵『何か喋れ』

俺「…はい、ありがとうございます、たぬ蔵じいちゃん」

たぬ蔵『ふふっ、うん、いいって事よ』

俺「あと3年くらい待ってもらえますか?」

たぬ蔵『嫌だ』

俺「…ダメですか?」

たぬ蔵『1年半でやれ』

俺「…努力してみます」

たぬ蔵『うん、死ぬ気で行け、死ぬ気で』

俺「…」

たぬ蔵『それで死ねれば本望じゃろう』

俺「…」

たぬ蔵『分かったか?』

俺「はい」