2020/標的の詩
子供は気持ち良い標的があるとニョキニョキと成長する
大人は都合の良い標的があるとそれを保存しようと努める
餓鬼は美しい標的があるとアホみたいにベタベタ触ろうとしてくる
クズは美味しそうな標的を見つけると挨拶も無しに無礼に手を出して盗もうとする
天使は綺麗な標的を発見すると上手に礼儀正しく甘えてくる
悪魔は凛とした標的を視界に入れると無差別に呪ってくる
神様は素直な標的を創ってこの世を少しだけ安らかにする
死神は勇ましい標的を相棒にして邪魔な輩を片っ端から殺しにかかる
俺様は幸せな標的とやらを演じるのに飽きて色々とどうでもよくなっている
誰様は嬉しい標的を求めて今日もパソコンorスマホorタブレット上の画面に頼りまくっている
そこで結論
ようするに標的っつーのはソレだけの価値しかないっつー話
もっと小さく大きな視点で物事を捉えないといけない
もっと丁寧に大胆に中身を考察しないといけない
もっと柔らかく優しく展開を予想しなくちゃいけない
もっと激しくぶっ飛んだ思想を練り込まなくちゃいけない
もっとその色と形を明確に馴染ませなきゃいけない
もっとその夢と現実をリアルに頭の中で飼い慣らさなきゃいけない
もっとその絶望と悪夢を日常で可愛がらなきゃいけない
そんな令和2年目の春に浮かんだ標的の詩