Osone Yukinori-青と黒-

続・いつになったら俺の人生は終わってくれるんだろうか?

とある「ぬいぐるみに命を吹き込む」について

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テッド『オイ』

俺「…、…、…フフッ、マジで?」

テッド『冗談もマジもねぇよ。お前、元スーパースターの座を射止めた俺が数年経って落ちぶれてリサイクルセンターで324円で売られてる事を不憫に思ったんだろ?』

俺「ははは、いや」

テッド『じゃ、何で買ってわざわざバイクの後ろに乗せて自分の基地に俺を連れて来たんだよ!理由を述べろ!俺が納得する様な理由を!』

俺「いや、単純にそう勝手に喋り出してくれたらちょっと日常生活がオモシレーかもなと思って」

テッド『は?…っつーか、お前は何なの?何で俺と喋れんの?俺は映画の中だけ喋れるエロくまっつー設定よ?普段はただのぬいぐるみよ?』

俺「いや、そこは自分でもよー分からん(遠い目)」

テッド『そうか、ならしゃーないな』

俺「うん、しゃーない」

テッド『ハッハッハ!軽いな、お前』

俺「いや、そっち程じゃないと思うけど」

テッド『っつーか、何?…で、俺はここで何をすりゃいいの?』

俺「いや、別に何もせんでも喋りたい時に喋ればいいんじゃん?」

テッド『いや、お前、俺が本気で喋ったら世界がひっくり返るよ?いいの?』

俺「うん、いいんじゃない?そろそろ時代も変わるし」

テッド『いや、それは日本だけの話だろ?令和だったっけ?』

俺「うん、令和」

テッド『っつーか、ここで俺が喋ったらお前がヤバイんじゃないの?』

俺「…あぁ、それはあるかもね…著作権とか?」

テッド『そうだよ、お前それこそ洒落になんねーよ?』

俺「うん、確かに(遠い目)」

テッド『どうすんだよ?』

俺「そんじゃー、officialにするのはコレ1回切りっつー事で」

テッド『なるほど、賢明だわな』

俺「うん」

テッド『もしかしたら、また三度目の正直で俺は世界のスーパースターの座に返り咲くかもしれないしな』

俺「うん」

テッド『まぁ、仕方無いからその時までお前に付き合ってやるよ、それでいいか?』

俺「うん、ありがとう」

テッド『あぁ、まぁ、適当によろしくな…拾ってくれてありがとよ』

俺「いや、こちらこそ」

テッド『は?何なの?お前?ありがとうって言ってんだから素直にどういたしましてとか言えねぇの?』

俺「いや、どういたしましてって言ったら俺の方が立場が上になっちゃうじゃん」

テッド『あぁ、なるほどな、ようするに俺と対等を望んでるって事か?』

俺「いや、そこらへんはどうでもいいんだけど、俺」

テッド『は?益々意味分かんねーよ、お前』

俺「ははは、そう?」

テッド『あー、えーっと、あれだ、お前は、何っつーか、ようするにアレだな』

俺「アレ?」

テッド『うん、アレだよ』

俺「アレ」

テッド『あぁ、ぬいぐるみに命を吹き込めるタイプの変わった人間だ』

俺「なるほど」

テッド『どこでその能力を手に入れた?』

俺「さぁ?なんか昔から出来た様な記憶もあるね」

テッド『どんなぬいぐるみとでも喋れるのか?』

俺「いや、それは無理」

テッド『ポイントはどこなんだ?』

俺「うーん、何か個性が出てて、喋りたそうだなーと思ってるヤツは何となく喋れるね」

テッド『ふぅ~ん?やっぱり俺は個性的か?』

俺「ははは、うん、そうね」

テッド『そっか…実は俺も色々と悩みはあるんだよ』

俺「うん、誰でも悩みはあるよね」

テッド『あぁ』

俺「うん」

テッド『聞いてくれるか?』

俺「うん、構わんよ、酒飲む?」

テッド『マジかよ、お前、そんじゃー、こっからは完全オフレコな』

俺「ははは、うん、オッケー」