2020/たぬ雄さんに御報告
たぬ雄『おう!どうだった?久し振りの武道体験は?』
俺「はい、良かったです」
たぬ雄『お前は馬鹿か?』
俺「え?」
たぬ雄『そう言うつまんねー感想はいらねーんだよ』
俺「…あ、すみません、つい、いつものクセで」
たぬ雄『おう、まぁ、しゃーねー、で?どうだった?』
俺「凄い先生達に投げ飛ばしてもらって、久し振りに沢山の子供達と健康的に交流できました」
たぬ雄『ほうほう、なるほど、で?』
俺「えーっと、はい、終始、そんな感じでした」
たぬ雄『もっとこう、何か無いのか?こうグワッとした感じよ』
俺「…はい、別に」
たぬ雄『その技っつったら、お前の親父もスゲェんじゃねぇのか?』
俺「あぁ、はい、そうですね。でも長年殺られ慣れちゃってるので、もう俺は飽きてますね、そこは」
たぬ雄『なるほどな。まぁ、ようするに新鮮味が無いって事か」
俺「はい、なので別の人からすればやっぱりあれなんじゃないですかね」
たぬ雄『なるほどな。それぞれ身体のクセっつーか、個性っつーか、タイミングっつーか、気合いの入れ方っつーか、そう言うのがあるもんな』
俺「はい」
たぬ雄『…』
俺「…」
たぬ雄『で?』
俺「で?」
たぬ雄『何か俺に教えてくれよ、新しい技』
俺「はい、それなんですが、すみません、たぬ雄さん。先生方の動きが上手速過ぎて、全く一朝一夕で真似出来る感じじゃないんです」
たぬ雄『ハァ、やっぱりそうか』
俺「はい」
たぬ雄『お前、そう言うの苦手そうだもんな』
俺「はい、ヤラれるのは得意なんですけど、ヤるのは苦手で」
たぬ雄『何の話してんだ?』
俺「え?武道の話ですが」
たぬ雄『あ、そうか、俺には他の話に聞こえた』
俺「え?何の話してるんですか?」
たぬ雄『武道の話だ』
俺「ですよね」
たぬ雄『まぁ、いいや、何か地道に通ってコツとかタイミングとか掴んだら、それだけ教えてくれりゃよ』
俺「はい、分かりました。あんまり期待せずに気長に待ってて下さい」
たぬ雄『おう』
完